瞑想ワインとアナリスト

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レビュー「イタリアワインと料理の強化書」

お疲れさまです。めそあなです。

 

本日は「イタリアワインと料理の強化書」日本ソムリエ協会&日本イタリア料理協会著

をレビューさせていただきます。

 

一般社団法人 日本ソムリエ協会 ECサイト / イタリアワインと料理の強化書

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全面カラー刷りの単行本サイズ。

 

いったいどんな本?

ソムリエ協会の公式本

ソムリエやワインエキスパートの資格で有名な日本ソムリエ協会と日本イタリア料理協会の共著で、6月2日に発売された新刊本です。

 

上述の公式サイトによると、協会発行の会員誌「Sommelier」の連載を加筆・修正したもので、イタリア料理・ワインに携わるエキスパートが執筆しています。

 

カラー刷りで写真が多いですが、記事も多いので、全215ページはなかなかボリュームを感じる読み応えです。定価は2,200円になります。

 

そもそもイタリアって?

知ってそうで知らないイタリアン

 本書の導入としてまずはイタリアの地図を確認しましょう。

 

実はイタリアは、全部で20の州から構成されています。資格試験を受けられた方は全部覚えたことと思います。。。

 

本書はイタリアの各州のワインと料理にフォーカスした本ですので、州の場所を常にイメージすることが大切になってきます。

 

山あり海あり島あり

イタリアは様々な地形に恵まれています。

 

北はアルプス、中央はアペニン山脈。ティレニア海、イオニア海、アドリア海の三方を海に囲まれ、シチリア島やサルデーニャ島といった大きな島も有しています。

 

また、南北に長い国土も、寒暖差などのバリエーションを生み出します(まさに日本みたいです)。

 

入り組んだ歴史

さらに、ローマに代表される古代から現在まで様々な歴史があります。共和国やローマ教皇、スペイン、フランス、オーストリアなど、各地の支配者が目まぐるしく交代したその歴史を説明するには、余りにも紙幅が足りません。

 

ただ、各州がそれぞれ、豊かな歴史・文化を持っていることは実感できると思います。

 

ちょうど、日本の都道府県がそれぞれの歴史を持ち、地酒と名物を持っているのと(歴史的なスケールで見ても)同様かと思います。

 

 

宮廷の料理と庶民の料理

されに、 イタリア料理については、もう一つ重要な視野があると本書は指摘しています。それは、宮廷料理(クリーナリッカ)と庶民料理(クチーナポーヴェラ)の違いです。

 

歴史があるからこそ、その料理についても、楽しむ主体ごとに格の異なる料理文化が発展してきたのです。

 

当然、料理が違えば、合わせるワインも変わってくるため、より重層的な楽しみが広がっているとも言えるでしょう。

 

 

本書の切り口 

「歴史という縦軸」と「郷土という横軸」

 本書はイタリアにかかる上の知識を前提に、「歴史」と「郷土」という切り口から、全20州についての知識を「強化」できるように書かれているものになります。

 

具体的な構成は?

第1見開きで、歴史と郷土を強化

各州について、2ページでその歴史と郷土を紹介します。

 

第2見開きで、ワインと産地を強化

続く2ページで、各州の代表的ワインとその産地の地図を紹介します。

 

第3見開きから、3ペアリングを強化

続く3つの見開き(6ページ)で、3つの代表的な料理とワインのペアリングを提示します。

 

これを20州分という徹底ぶりです。

 

 

めそあなレビュー

良かった点

イタリアワインの「教科書」は幾つか書籍が出ていますが、こうした「歴史」「郷土」という軸とビジュアル的にも楽しめる写真や地図が一体になった本は初めてかと思います。

 

ヴァッレ・ダオスタ州やリグーリア州など、ワイン生産的にはマイナーな先も含め、20州全部を同じ比重で説明している点も新しく、おもしろかったです。

 

もう一歩と感じた点 

マイナーな州の記事においては、取り上げられているワインが必ずしも手に入れられるわけではない場合もあり、読者目線の再現性という点で気になりました。

 

また、各ペアリングについてソムリエのコメントが記載されているのですが、必ずしもマッチするわけではなかったものも多数紹介されています。ソムリエ協会ですら、実験的で正解ではないと感じるペアリングを紹介されても、読者の観点からすると必ずしもためになるものではないので、もっと練ってくれてもよかったのでは?という気がしました。

 

 

まとめ

 縷々感想を述べましたが、「脳で感じる」という、めそあなのコンセプトからすると、とても親和性のあるテーマの本として、内容的にもビジュアル的にも、とても感銘を受けました。

 

全州を紹介している裏返しなのですが、ピエモンテ州やヴェネト州、トスカーナ州などより詳細が必要な州については、違う方法で「強化」が必要かと感じます。ですが、マイナー州まで網羅的に楽しめるという、本書の魅力を削ぐものでは全くないです。

 

そしてとにかく、イタリアワインが飲みたくなりました。。。

 

イタリアワインをさらに深めるのにおすすめ

SAItaly(サイタリー)フェスタ

https://www.sommelier.jp/doc/event/SAItaly2019.pdf

 

さいたま✖️イタリアンをテーマに、日本ソムリエ協会が毎年開催しているイベントです。イタリアワインとイタリア料理のペアリングを紹介してます。

 

実は、めそあなも、2019年の会に参加させていただきました。実はこの本、当日購入したものになります。

 

 

イタリアワイン通信講座 by Vino Hayashi

store.vinohayashi.com

こちらは、イタリアでトップソムリエになった林ソムリエが主催する通信講座です。

本書よりも深い背景、細かい地図を紹介してくれていますし、何よりワイン2本が毎月届いて飲める、ことが大きな魅力です。

 

めそあなも受講中です。いずれ、レビューしたいと考えています。お楽しみに!

 

 

 

さて、本日も長文にかかわらずご覧いただき、ありがとうございます。

本日もお疲れさまです。またお会いしましょう。